2003年に購入して、読んでなかったが、引越の時に出て来たので、この正月休みに読んでみた。
「記憶汚染」林譲治 著 ハヤカワJA
以下 アマゾンの「内容」からコピペ
「破滅的な原発テロの教訓から、携帯情報端末による厳格な個人認証が課された近未来日本社会。土建会社社長の北畑は、奈良の弥生遺跡から謎の文字板を発見するが、なぜかそれは200年前のものと推定された。いっぽう痴呆症研究に従事する認知心理学者・秋山霧子は、人工知能の奇妙な挙動に困惑していた。2つの事象が交わったとき、人類の営為そのものを覆す驚愕の真実が明らかになる―それは新たなる破滅か、それとも。」
書かれたのが、2003年と言う事で、10年前のSFなので仕方ない。
2014年の現在が変わりすぎたのだろう。
「舞台は2040年だが、携帯情報端末による個人認証が社会生活で必須。原発テロの発生がその契機となった。」という設定自体が厳しい。
10年後の今、地震をきっかけとする原発事故を経験した日本人にとって、この設定はあまりに空虚である。
脳内に埋め込んだ生体コンピュータと、ウエアラブルコンピュータ、インターネットが進化した結果のネットワークシステム、それらのリソースの上で動作する人工知能。
長命の異種ヒューマノイドと人類の戦いと共生。
歴史認識の誘導。
ネタをたくさん仕込んだのは良いが、ストーリーでそれをこなしきれず、陳腐な展開となってしまっている事も残念。この倍から3倍のページ数を使って、ディテールを書ききって欲しかった。
脳内コンピュータと人工知能だけで進めていればよかったのにとも思う。
すこし、期待はずれの内容と言わざる得ない。
0 件のコメント:
コメントを投稿